電子書籍の値段が高い理由と、それでもお得に安く買う方法を調べてみた

電子書籍ってなぜか紙の本と値段が変わらないんだよなぁ。正直高いと思う。

電子書籍はなぜ高いんだろうか。

あと、電子書籍を紙の本よりお得に買う方法があれば知りたい。

こんな疑問に答えます。

確かに電子書籍は高いですよね。印刷するコストがかからないのに、なぜか紙の本とさほど値段が変わりません。

氷犬
僕も「中古で売れない分、紙より高いのでは?」と日々思っています。

そこで、今回「電子書籍が高い理由」「電子書籍をお得に買う方法」の2つを調べてみたので、記事にまとめてみました。

もう少し電子書籍をお得に楽しみたいという方の参考になれば幸いです。

電子書籍が高い理由は、流通コストに課題があるから

電子書籍は紙ではなくデータなので、「紙よりコストがかかってないし、安く売れるのでは?」と思いますよね。

ただ、調べてみると、以下の2つの理由で安くできないことがわかりました。

  1. 流通コストが値段に比べて高い
  2. 街中の書店を守るためにあえて高くしている

ひとつずつ詳しく解説していきますね。

①流通コストが値段に比べて高い

まず前提として、電子書籍は紙の本と比べると、かなり低いコストで作れるようです。

正直な話をすると、電子書籍というのは、紙の本に比べて、たぶん3分の1くらいの値段に出来るんですよ。

もちろん、一般の書籍を電子化するためには編集さんなども必要だったり、いろんな事情があるんですけども。間違いなく、3分の1くらいの値段には出来るんです。

引用:なぜ電子と紙で同じ価格なんですか? 流通、印刷代がいらない電子書籍が安くならない理由

確かに紙のように印刷したり書店に置いたりといった物理的なコストがかからないので、安く作ることはできそうです。

氷犬
ただ、調べてみると「電子書籍の値段に対して流通コストの割合が紙よりも高いこと」がわかりました。

わかりにくいかと思うので、詳しく解説します。

電子書籍の値段に対して流通コストの割合が紙よりも高い

電子書籍は紙の本と比べて安く作れますが、それでも流通コストはかかってきます。

例えば、電子書籍を販売しているサイトに置いてもらうための手数料(固定費)や、売れた時の手数料(変動費)などは流通コストにあたります。

この固定費と変動費というのがポイントで、固定費は売るために絶対にかかってくるんですね。

例えば、作る部数にかかわらず、最低限500万の固定費がかかるとします。

この固定費は、部数に応じて、1部あたりに占める割合が変わってきます。

単純な金額で表すと、以下のとおりです。

  1. 100部の場合:1冊あたり、50,000円
  2. 1,000部の場合:1冊あたり、5,000円
  3. 10,000部の場合:1冊あたり、500円

このように部数が多ければ多いだけ、固定費の割合は低くなっていきます。

しかし、電子書籍の場合は、紙の本と比べて市場規模が小さいので、どうしても固定費の割合が高くなってしまうのです。

電子書籍の市場規模は、紙の本と比べて4分の1程度

紙の本と電子書籍の市場規模を調べた表があります。こちらです。

引用:2019年の紙+電子出版市場は初のプラス成長で1兆5432億円 ~ 出版科学研究所調べ

正確な数字はわかりませんが、紙の本は12,000億円、電子書籍は3,000億円のようです。

ここから単純に計算すると、それぞれの割合は紙:電子=4:1くらいになります。

つまり、「電子書籍は市場規模が小さいので、それだけ固定費の割合が高くなりやすい」と言えそうですね。

②街中の書店を守るためにあえて高くしている

専門家によると、こちらの方がメインの理由のようです。

漫画の単行本で言うと、今、500円で売っている漫画は、本来、電子書籍にしたら200円くらいがリーズナブルな値段なんです。

でも、電子書籍を200円で売ると、例えば、少年ジャンプの単行本だったら、「電子版は200円、そのかわり紙版は2000円」ということになってしまう。電子書籍が3分の1の値段になると、紙の本は3倍になる。ここで、ほぼ10倍の差がついちゃうんですね。

するとどうなるのかというと、ほぼ確実に、日本中の書店が潰れる。つまり、「なぜ電子書籍は安くならないのか?」という話を始めると、「日本中の本屋さんが潰れるけど、それで大丈夫ですか?」という話に行き着くんです。

引用:なぜ電子と紙で同じ価格なんですか? 流通、印刷代がいらない電子書籍が安くならない理由

「電子書籍を安くしすぎると、書店が潰れるので安くできない」とのこと。

電子書籍は紙の本とは違うとはいえ、値段が10倍も変われば電子書籍の方が圧倒的に売れ出しますよね。

となると、書店に人が集まらなくなり、結果として書店が潰れてしまう。

実際、大きな書店でも閉店が相次いでいる現状なので、電子書籍を安くしすぎるとさらに閉店が加速しそうです。

つまり、「書店を守るためのコスト」として電子書籍が高くなっているという側面もあるんですね。

氷犬
個人的に書店は好きな場所なので、それなら仕方ないかなとも思いました

今後、電子書籍がグッと安くなる可能性は低い

電子書籍が高い理由を改めてまとめます。

  1. 流通コストが値段に比べて高い
  2. 街中の書店を守るためにあえて高くしている

電子書籍を安くするためには、電子書籍の市場が大きくなるか、出版業界の利益率が改善される必要があるので、急に値段が半分になったりはしなさそうです。

それでは「この2点が改善されれば安くなるのか?」となりそうですが、おそらく今後も電子書籍が安くなる可能性は低いでしょう。

一旦値段が付いたものを急に安くすることは難しい

現在、電子書籍の値段は紙と一緒か、もしくは消費税を除いた分の90%ほどが相場です。

一旦、相場が決まってしまうと、よほどのことがない限り、大幅に値下がることはありません。

これはコストの問題もありますが、業界の商慣習(いわゆる決まりごと)になってしまうからです。

氷犬
いくら買う側が「安くしてくれ!」といっても、売る側が値下げしないと決めたらなかなか値下げされませんからね…

それでも電子書籍を少しでも安く買う方法が2つある

電子書籍の価格が大きく下がることは、今後しばらくなさそうです。

ただ、そんな中でも電子書籍を安く買う方法が2つあるので、まとめて紹介します。

  1. 電子書籍サイトのキャンペーンやクーポンを使う
  2. 電子書籍サイトのセールのタイミングで買う

①電子書籍サイトのキャンペーンやクーポンを使う

ひとつは、電子書籍を販売しているサイトのキャンペーンやクーポンを使う方法です。

例えば、U-NEXTでは、ポイントで電子書籍を買うと実質40%オフというキャンペーンがあるので、かなりお得に買うことができます。

また、BookLive!なら、登録時に50%オフのクーポンをもらえたり、毎日お得なクーポンガチャを1回引くことができます。

電子書籍自体の価格は安くならないですが、各サイトがお得に買えるような仕組みを用意しているので、それをうまく活用するのがおすすめです。

特にAmazonや楽天しか使っていないという方は、別の電子書籍のサイトを見てみると良いでしょう。

②電子書籍サイトのセールのタイミングで買う

2つ目は、セールで安く買う方法です。

例えば、Amazon(Kindle)では、日替わり・月替わりのセールや、定期的なビジネス書の大幅割引セールをやっていたりします。

また、BookLive!では、人気コミックが格安で売られていたりするので、定期的にチェックすると良いです。

電子書籍は定価で買うと、お得感がまるでないので、よほどそのタイミングで読みたい本でない限りは安くなるのを待ってから買うのがおすすめです。

電子書籍の値段は安くならないが、時々の値引きのタイミングで買う

電子書籍が高い理由と、電子書籍を少しお得に買う方法を解説してきました。

出版業界の事情もあり、急に電子書籍が安くなることはありませんが、電子書籍を売っているサイトでは値引き販売がよくされています。

なので、定期的にサイトをチェックして、安いタイミングで欲しいと思った本を買うのがおすすめです。

ただ、どうしても電子書籍では安くならない本もあるので、読みたい本は紙を中古で買ったりするなど、上手に利用しましょう。